職場の同僚から、Excelで空白ページが沢山印刷されてしまうのを何とかできないかと相談を受けました。
ファイルを見てみると、横(列方向)に数十ページに渡るデータがあり、その中から不要なものを非表示にして印刷するという運用をしていました。それが、ある時から空白ページが出るようになってしまって困っていると。
私は最初、Excelのバグだろうから次の更新で直るのではと軽い対応をしてしまったのですが、その同僚のExcelはExcel2019で、私が使っていたExcelはExcel2021、バージョンが異なるのに同じ動きをしたため、バグではないと思い直し、調査しました。
インターネットで調べてみても、原因らしきものは見つからず、しかし、複数のExcelバージョンで起きている現象、前は起きていなかったという同僚の発言から、何か原因がある筈と考えを巡らせ、原因がわかったのでここにメモしておきます。
空白ページが表示されてしまうのによくある原因としては、何もないように見えて何かのデータが入っている、例えばセルに空白が入っているとか、文字がセルからあふれて印刷範囲内に侵入してきている等ありますが、今回は列を非表示にしており、いずれも該当しません。それで、唯一考えられる空白ページの原因は、改ページが生きてしまっていることでした。それで、簡単なテストを試みたところ、現象を再現することができました。
このように新規のシートを用意し、A1~O15くらいの範囲に罫線の枠をつけ、改ページプレビュー画面にしてみます。
次に、I列とJ列の間にある改ページのラインをつまんで、H列とI列に移します。これで、明示的な改ページ属性が挿入されました。
この状態で、A列からH列を非表示にすると、なんと、1ページめに空白ページが挿入されてしまいます。試しに、非表示の範囲をもう一列、I列まで増やし、改ページの属性を紛れなく非表示にしてもやはり空白ページが表示されます。
やむを得ず、「ページレイアウト > 改ページ」から改ページの属性を解除すると、空白ページは表示されなくなりますが、任意の場所に改ページを入れたいということができないので、対処療法として、空白の列をいれたり、インデント(余白)で調整したりといった方法が必要になります。
この現象は、Excel2016、Excel2019、Excel2021で起きることを確認しています。なぜかはわかりませんが、おそらくExcelの仕様なのでしょう。
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